日々雑感

日々思うことの備忘録です.

読書録:ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から

これも日経サイエンスの書評で取り上げられていた本である.

米国に進化論や地球温暖化を信じない人がかなりの割合いることは以前から聞いていたが,こういう考え方の人たちがどういう人たちなのか,ということを取材してまとめた本である.

読んでみて思うのは,彼らは信念をもってそのように考えているので,これを「改宗」させるのはきわめて難しそうだということである.たとえは悪いが,いわゆる「怪しい宗教」にはまってしまっていた人をそこから救い出すのと同じようなことになるのであろう.

一番驚いたのは「創造博物館」なるものである.これは「神がどうやってこの世を創造したのか」を展示で説明している一種のテーマパークのようなもので,彼らのロジックに従ってさまざまな現象を説明してあるそうである.さらに「実物大のノアの箱舟」のモデルがあるというのにも驚いた.

この点とは別に,科学的なロジックでものごとを進めるのにストップをかける社会的な仕組みという点では勉強になった.