日々雑感

日々思うことの備忘録です.

読書録

読書録:ブラームスの協奏曲と交響曲

ベートーヴェンのピアノソナタ研究で有名な諸井誠氏によるブラームスの楽曲の歴史と解説である.ベートーヴェンのピアノソナタ分析の本は以前から読んでみたいと思っていたが,いまは入手が難しくなっていること,また,個人的にベートーヴェンよりもブラー…

読書録:ものすごい物理学講義

ループ量子重力理論の研究者が,現代の物理学に至るまでの物理学史を平易に説明した著書である.大学生のころに勉強して以来まったく触れることのなかった相対性理論の意味をあらためて理解しなおすとともに,それ以降の現代物理学のおおまかな理論構成を知…

読書録:科学者が消える: ノーベル賞が取れなくなる日本

これも日経サイエンスの書評で見つけた本である.たしか,社会と科学の関係に関する本がまとめて紹介されている号があったので,最近,そのような本をまとめて読んでいる. さて,この本は,日本で学術研究を担っている大学の現状を紹介し,それが危機的な状…

読書録:ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から

これも日経サイエンスの書評で取り上げられていた本である. 米国に進化論や地球温暖化を信じない人がかなりの割合いることは以前から聞いていたが,こういう考え方の人たちがどういう人たちなのか,ということを取材してまとめた本である. 読んでみて思う…

読書録:ビッグデータ探偵団

日経サイエンスの書評欄に載っていたので,図書館で借りてきて読んだ本である.内容は,Yahoo Japanのデータ解析チームが,Yahooで収集したビッグデータに基づいて種々の社会現象について解析した結果から代表的なものをピックアップして紹介したというもの…

読書録:「皮膚感覚と人間のこころ」

皮膚感覚の生理メカニズムを専門とする著者による著作である.身体技能を実行するうえで,皮膚感覚は本質的に重要な役割を果たしていることはいうまでもない.皮膚感覚は環境の中での自分の状況や,他者(人であれ物体であれ道具であれ)の状態を知るうえで…

読書録:「こころ」はいかにして生まれるのか

「こころ」の大きな要素である感情や情動が生まれるメカニズムについて神経科学の観点から平易に説明したブルーバックスの一冊である. たしかに「こころ」がテーマではあるのだが,脳全体の仕組み,特に,大脳皮質の奥にある大脳辺縁系を中心とした脳全体の…

読書録:測りすぎ-なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

「測りすぎ」というタイトルをみて,これはいったい何について書いた本だろうと思うが,これは,学校での教育や大学での研究,医療や警察などの公共の現場に定量的評価を持ち込むとどのような弊害が生じるかを明快に論じた本である. わかりやすい例をあげれ…

読書録

毎年いろいろな本を読む.読んだときはいろいろと鮮烈な印象が残っていても,時がたつにつれてそれが薄れていってしまう.特に歳をとると,記憶の忘却のスピードが速い. これからはできるだけ読後の印象を忘れないうちに書き残しておきたい. ところで,本…